野球教室
 

コーチングクリニックキャラバン
〜技術指導力向上講座開設準備事業〜
平成15年度アンケート調査報告

『野球指導者の意識とその環境に関する実態調査』


スポーツ振興くじ助成金を受けて実施しています。

平成15年度は、技術力向上講座を修了した成果を発揮する場として、アマチュア側にプロ退団者の指導を受け入れるにあたっての期待・評価等の意識またはそれをとりまく環境についてどのような状況にあるかを調査しました。

調査は、平成15年度に実施された「全国アマチュア野球指導者講習会」の受講者を対象に行われました。

Q1:「指導対象」について
アンケート実施者の総数は747名、内訳はこちらの表の通り。
小・中学生(軟式)の指導者が最も多く、次いで高校生、小・中学生(硬式)と続いている。

Q2:「指導年数」について
指導年数の内訳はこちらの表の通り。
4〜10年が最も多く、次いで1〜3年、11〜20年の順になっている。
また、指導経験がまったくない指導者は50名であった。

Q3-1:「今回の講習の感想、印象」について
「新しい発見」があり「よくわかり、理解が深まった」ので
 「受けて良かった」
(※グラフQ3-1)率直な意見をプラス・マイナス両面の評価から伺った。プラス評価で最も多かったのは、「新しい発見があった」「よくわかった/理解が深まった」「受けて良かった」の順であった。 マイナス評価はほとんどなかったが、「期待したほどのものは得られなかった」に全体の3.3%(25名)ほどが回答を寄せた。

Q3-2:さらなる分析をしてみると…
「知識の拡がり、深まり」が評価され、「即効性」の項目が低い
「社会人指導者」は自分の指導の幅を拡げるために使う
項目を並び替え、
1)知識の拡がりや深まりを表す項目(良くわかった、新しい発見があった、
  講習を受けて良かった)を前半に、
2)即効性を求める項目(自分の指導の裏付けが出来た、指導者としての自信が
  深まった、悩みが解決できた)をその次にした場合、図のようなグラフになった。

知識の拡がりや深まりを表す項目はおよそ60%を超えているが、即効性に関する項目は点数が低くなる。これは、講習形式の影響であると推察される。つまり今回のように集団講義形式では受講者個々の問題解決には至らないが、一方で全般的に知識の深まりを感じるという効果が得られた。すなわち、プロ野球OBの指導は一方向の講義でも一定の効果が見られ、さらに個々への交流を密にすることによって、即効性のある問題解決を図れる可能性もあるのではないだろうか?

また社会人指導者で「指導方法の幅が拡がった」の点数が高かったことは、指導者に一定レベル以上の知識、理解がすでに備わっており、プロ野球OBの指導がさらにその選択肢を拡げる役割をしているのではないかと思われる。

Q4-1:「開設して欲しい講座」について
「練習方法」「基本動作」「投手の基本フォーム」を学びたい
(※グラフQ4-1)半数の人が「練習方法」の講座を希望している。これは「現場で役に立つ」「具体的」な内容講座を求めていると言えよう。また基本動作、投手の基本フォームなど、基本的な内容を求めており、投手の球種やサインの出し方など、応用的なものを求める回答は少なかった。また技術的な内容以外では、「筋力」や「心理学」などへの回答が多かった。

Q4-2:指導対象別で分析してみると…
高校生では「チーム運営」小・中学生では「基本」講座を希望
(※グラフQ4-2)内容を「基本」「応用」「チーム運営」「教養」と分類し直すと、高校生対象では応用(戦術)、チーム運営がトップになり、小・中学生では基本的技術となった。これは、小中学生の指導者は、こどもたちに「野球を身につける、憶えさせること」に重点を置いている一方、こどもたちが高校生まで成長すると、これまでの「憶える(マスターする)」ことから「応用(戦術)を考えること」へ重点が移行することの表れではないかと考えられる。

また社会人対象の指導者の回答が、「基本」「応用」「運営」「教養」のどれも15%〜25%の間に密集している。これは社会人まで野球を続けている選手には一定の知識と技術がすでに備わっているため、いずれの講座も自分の指導の幅を拡げる、選択肢を増やす、または復習する、という目的で捉えているためではないだろうか?次ページの指導年数別の回答傾向に差が見られないことから、指導者は、教えるこどもたちの立場に立ってその成長過程に応じた重点項目を選択していると言える。

Q4-3:指導年数別で分析してみると…
指導年数による差はほとんどない。基本重視
(※グラフQ4-3)概して基本、運営、応用、教養の順であり、各年代ともに同様の傾向が見られる。
基本:30%以上
運営:25%から30%
応用:20%前後
教養:20%前後
であるため、今後の講座カリキュラムもこの割合で組んでいくことが適切と考えられる。

Q5:「今後プロ野球OBの指導を受けてみたいか?」について
・ほぼ全員が次回も「受けたい」と希望している
・理由は「勉強になる・知識が得られる」ため
(※グラフQ5)94%の方が次回も受けたいと希望している。
その理由としては、圧倒的に「勉強になる・知識が得られる」というものが多く、次いで、「指導の幅を拡げるため」「指導力を向上させるため」「今回が良かったため」と続く。

また、希望しない、わからないと回答された方は、「内容をやさしく、具体的、かつ現代的にして欲しい」という要望を述べている。

Q6-1:「プロ野球OBの指導スタイル」について
「講習会で」「臨時コーチで」が希望
(※グラフQ6-1)今後の指導形態としては、今回のような講習会形式か、もしくは臨時コーチというスタイルを希望している。専属コーチというスタイルはまだ少数派であった。

Q6-2:指導対象別に分析してみると…
小・中学生(硬式)「臨時コーチ」で。それ以外「講習会」
(※グラフQ6-2)小・中学生(硬式)のみ臨時コーチを求めている傾向が明らかである。それ以外を対象に指導されている方々は講習会形式を望んでいる。理由として、シニアリーグでは多くのプロ野球OBが指導されているため、日頃からプロ野球OBの指導に慣れていることが考えられる。

Q7:「指導上、気になること」について
「指導法」がダントツで一位、次いで「心理」が二位
(※グラフQ7)指導法について、が最も高かった。次いで、選手の心理関連も多くの人にとって重要とされた。野球の指導はやはり人間関係であり、どのようにコミュニケーションを取るかが、選手を育て、鍛え、伸ばすことになるのか、それに関心を寄せる指導者が相当数いることを示している。

自由記述で「プロの体験談を聞きたい」という内容が多かったことと考え合わせると、常日頃から指導法についての悩みを抱えている指導者達にとって、プロならではの体験談を織り交ぜながらこの難問に答えてもらえる講習が非常に助けになると思われる。つまりどのように選手を伸ばすのか?という根本的な課題に、プロの経験を踏まえたサジェスチョンをもらえることが、指導の幅を拡げることになる。それによって、個性を伸ばしながらチームも伸びていく、という理想的な指導法が見えてくる可能性があろう。

以上です。社団法人全国野球振興会では、このほかにもアンケートをまとめておりますので、何かありましたらお気軽にお問い合わせください。
アンケートにご協力いただきました皆様、誠にありがとうございました。



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